調合味噌の特徴と作り方

調合味噌の特徴と作り方

味噌は麹を単独で作ると味に角が立ちがちですが、調合味噌ではそれがかき消されて風味が引き立ち美味しくなります。
お互いの味噌に足らない風味が出てくるのです。
そこで風味の違う味噌を合わせることになります。
麹、色、味の異なる味噌をブレンドして、新たな風味を引き出すところに調合味噌の価値があるのです。
それは細かく分類すれば、味噌の種類は1700を超えると言われますので、その組み合わせは無限大に等しいのです。
一般に赤だし味噌と呼ばれるものも調合味噌であり、主原料の豆味噌に米味噌を配合しそこに調味料が入っているものです。

最低2種類以上の味噌を合わせればいいだけですので、簡単に作れます。
何をどれだけ調合するかは、使う具によっても違います。
具と相性の良い味噌の基本的な調合割合があります。
後は、好みで調合を変えれば良いのです。

わかめと豆腐の味噌汁であれば、中辛の米味噌1、辛口の米味噌2の割合にします。
具があっさりしているので、辛口にしてバランスをとるのです。

根菜類の味噌汁であれば、甘口の味噌2、辛口の米味噌1の割合にします。
それを引き立たせるための辛口の味噌を合わせます。

魚介類の味噌汁であれば、辛口の米味噌1、豆味噌2の割合にします。
生臭さを消すのがポイントですので、濃厚で風味がある豆味噌を多めに使うのです。

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麦味噌の特徴と作り方

麦味噌の特徴と作り方

麦味噌は使っている麹の量が多く塩分も低いので、甘口で香りも芳醇な味噌になります。
麦味噌を使用する際は、味噌こしが必要です。
味噌汁に入れると、黒い線のようなものが混じるからです。
この味噌こしを使うには、メリットもあります。
味噌汁を作るその時に味噌をこしますから、麦の麹がその時に空気に出会うことになるのです。
ですから、その時になって新鮮な香りが漂い始めるのです。
この味噌こしのメリットを米味噌でも試している方さえいるほどです。
ただ、麦味噌は麹の量が多いので発酵が進行しやすく、時間と伴に黒ずんでくるのがデメリットです。
保存には注意が必要ですが、それでも品質自体が落ちるわけではありません。

作り方の概略です。
1.裸麦水洗いし水に浸けて水を吸ったらザルで水切りをしておきます。
2.蒸し器で裸麦を蒸します。
3.うちわで扇ぎながらかき混ぜ、表面の水分を飛ばしながら急いで冷まします。
4.大豆を水洗いし水につけて水を吸ったらザルで水切りをしておきます。
5.蒸し器で大豆を蒸します。
6.大豆を潰して麦麹と混ぜ合わせます。
7.発酵が始まりますので、適切な温度を維持しておきます。
8.熟成されて甘い匂いがしてくれば完成です。

豆味噌の特徴と作り方

豆味噌の特徴と作り方

豆味噌は米も麦も使いません。大豆だけを蒸して発酵、熟成させて作った味噌です。
加える水や塩の量で種類が分けられています。
全般に赤い米味噌よりも色が濃く、赤褐色っぽいのが特徴です。
熟成させる期間は長くかかるもので1~3年くらいかけています。
味は甘みが弱く渋い味、濃厚な大人の旨味と言われます。
主に東海地方で作られています。八丁味噌は有名でこれは産地の名称です。
大きな木の桶で大量に生産されます。6トンもの味噌を入れる桶もあります。
重石は内側に重心がかかるように、ピラミッド型に石が高く積み上げられています。

豆味噌の作り方の概略
豆味噌では代表的な八丁味噌の作り方になります。
原則として冬に仕込みます。
1.良質の大豆を水洗いし、水に浸けて水を吸ったらザルで水切りをしておきます。
2.蒸し器で蒸します。
3.蒸し上がった大豆をうちわで扇いで冷ましてから、拳大くらいに握っておきます。
4.麹を混ぜ込んで豆麹を作ります。そこに適量の塩と水を加えて調合します。
5.桶の中に移し、上に重石をピラミッド型に崩れないように積み上げます。
6.発酵が始まりますので、適切な温度を維持しておきます。
7.そのまま熟成させます。1~3年置いておきます。

米味噌の特徴と作り方

米味噌の特徴と作り方

一般的に広く浸透しているものが、米味噌です。九州、中国、四国以外では特に人気があります。
甘口、辛口、色も白いものは白味噌、赤いものは赤味噌と呼ばれて種類は豊富にあります。
大豆を煮ないで蒸して作ると、色は濃く赤くなるようです。
また、米麹を多く使えば使うほど熟成に時間がかからなくなります。
色の白っぽい米味噌の代表的なものに、西京味噌、信州味噌があります。
色の赤っぽい米味噌の代表的なものに、仙台味噌、津軽味噌があります。

作り方の概略
1.大豆を洗って、一晩水に漬けておきます。
2.水を替えて、弱火で4時間半~5時間ほど煮ます。
3.大豆の煮汁を取っておきます。煮た大豆をザルに入れ、扇いで急速に冷まします。
4.大豆が冷めてきたらペースト状につぶします。
5.米麹と塩を混ぜます。さらに大豆のペーストを少しずつ混ぜていきます。
混ぜやすいように先ほど取っておいた大豆の煮汁を少しずつ加えながら、混ぜます。
ここで種味噌も混ぜます。
6.全て混ざり込んだら、空気が入り込まないよう上から押しながら味噌を詰めます。
7.発酵が始まりますので、適切な温度を維持しておきます。時々、樽の中をかき混ぜておきます。
8.半年~1年ほどで完成します。

各地域の味噌

各地域の味噌

米味噌と一口に言っても、全国各地で独特の味わいが育てられてきました。それぞれに応じて色も違っています。
仙台味噌(宮城県)辛口の赤。なめみそとも呼ばれ、伊達藩の時代から伝統ある製法を受け継がれています。
信州味噌(長野)辛口の味噌で淡色。
加賀味噌(石川県)辛口の赤。加賀藩の時代から受け継がれています。
秋田味噌(秋田県)辛口の赤。米どころ秋田の米の味わいが豊かです。
津軽味噌(青森県)・会津味噌(福島県)辛口の赤。長期間熟成させてます。
讃岐味噌(香川県)甘口の白。
越後味噌・佐渡味噌(新潟県)辛口の赤。越後麹味噌とも呼ばれます。
江戸味噌(東京)甘口の赤渇色。
関西白味噌(関西)甘口の白。短時間で熟成させてます。西京味噌で知られています。
御膳味噌(徳島県)甘口の赤。米の割合が多く味わいが豊かです。

豆味噌は東海地方ならではのものです。
東海豆味噌(愛知・三重・岐阜)八丁味噌、三州味噌、三河赤みそなどで知られています。
ねさし味噌(徳島県)地域に根ざした伝統があります。

麦味噌は田舎味噌とも呼ばれています。
瀬戸内麦味噌(愛媛・山口・広島)口当たりの軽やかな甘口です。麦特有の香りがします。
長崎味噌(長崎・大分)甘口の淡褐色。
薩摩味噌(鹿児島)甘口の淡色。

味噌の分類

味噌の分類

米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌と、麹によって分けられます。
麹とは穀物に麹菌を培養、繁殖させたもので、酒や醤油など発酵食品のあらゆるところで使われているものです。
つまり、どんな穀物を原料にした麹なのかによって分けられるのです。
それが米、麦、豆の3種類あるのです。調合味噌は、この3種類をブレンドしたものです。
米味噌とは、大豆に米麹を加えて発酵させたものです。
麦味噌とは、大豆に麦麹を加えて発酵させたものです。
豆味噌とは、大豆に豆麹を使うのですから大豆のみを発酵させたものです。

甘口、辛口と、味によっても分けられます。
一般に食塩の量が増えれば増えるほど辛くなります。
でも、味噌は意外と塩分が少ないのです。
味噌の塩分は、比較的辛い味噌でも、味噌汁にすればお椀一杯で約1.4グラムになります。
成人の一日の塩分摂取量の目安が9グラムですから、はるかに低い数値でしょう。
また、辛さは麹歩合によっても変わります。
麹歩合とは、原料の大豆に対する麹の比率になります。麹歩合が高くなればなるほど甘くなります。

赤みそ、淡色みそ、白みそと、色によっても分けられます。
味噌は、発酵熟成が進むほど色が赤く濃くなります。
大豆などのアミノ酸と糖とのメイラード反応と言う化学反応によるものです。

味噌の特徴

味噌の特徴

味噌は調味料でも栄養食品でもない中途半端なところが、その特徴になっています。
その名称の由来となった「未醤」からも分かりますが、未完成製品なのです。
大豆発酵食品として、おかずにも出来ますが、調味料にも出来るはっきりしないものです。
味噌には、この状態ならではのメリットがあるのです。

その形状からくる優位性
味噌は、固体でもなく液体でもないペースト状になっています。
この形状だからこそ、他の調味料や食品素材とのマッチングを助けています。
醤油、牛乳などの液体、油とも混じり合えます。
それは料理のあらゆる場面に登場しうる存在になれているのです。
固体のように固くもなく、液体のようにこぼれたりもしませんから、扱いやすさも抜群です。

低い分解度からくる健康効果
味噌は、健康に良いとされています。
その根拠にあるのが、ペプチド成分の多さです。
ペプチドは、高血圧を降下させる働きや抗ガン作用やコレステロールの制御作用が認められています。
たんぱく質がアミノ酸に分解されるまでの過程で生産される中間成分になります。
中間成分ですから、発酵の完了した醤油にはあまり含まれていません。
もちろん、煮豆などにも含まれていません。
中途半端な中間製品の味噌だからこそ豊富に含まれている成分なのです。

味噌ならではの栄養素の数々

味噌ならではの栄養素の数々

大豆タンパク:血中コレステロール、さらには中性脂肪も下げます。
ビタミンE:活性酸素の生成を予防します。血行、免疫力も高めます。
サポニン:血管に付着した脂肪分を洗い流します。腸の内壁の絨毛を活性化させます。
レシチン:細胞膜や脳、神経組織を形成する大切な成分になります。
血中コレステロールを分解、脳神経伝達物質アセチルコリンの生成を助け、記憶力、集中力、認知症を予防します。
チロシン:脳や神経が正常に働くために必要不可欠なアミノ酸で、脳機能を活性化させます。
食物繊維:便通が良くなります。糖尿病、心筋梗塞、痔、高血圧、大腸の病気なども予防します
ビタミンB2:皮膚や各器官の粘膜を正常に保ちます。脂質を代謝してエネルギーに変換するのでダイエットや疲労回復にも効果があります。
ビタミンB12:赤血球の生成を促進しますので、貧血を防止します。また、精神の安定、集中力、記憶力を向上させます
イソフラボン:ポリフェノールの一種で抗酸化作用がある自然界の老化防止サプリメントと言われてます。
肌を美しく保ち、動脈硬化や骨粗鬆症も予防します。
中でも糖が分離しているアグリコン型イソフラボンが、特に多く含まれています。
これは味噌の麹が糖とイソフラボンを分離させているためで、他のイソフラボンより吸収率が高いのです。

味噌の選び方と保存の仕方

味噌の選び方と保存の仕方

味噌を購入するときは、まずラベルをチェックしましょう。
商品には、農林水産省で定められたみそ品質表示基準により商品の品質等がラベルで表示されているはずです。
品名から原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者を表示しているのです。
品名とは、米味噌、麦味噌等の種別です。天然醸造とあれば、発酵、熟成が人工ではなく自然にされたものとなります。
原材料名は、米味噌であれば大豆、米、食塩のみのものが良いです。
ここに酒粕とあれば、保存料としてエチルアルコールが使われています。
ビタミンB1とあれば、それは着色料として使われているかもしれません。
無添加みそなどもあります)

もちろん、品物自体も必ずチェックしましょう。
色、つやの良いもの、見た目にむらがあったり黒ずんでいたりしていないものを選びます。
味噌は発酵中の生きてる商品ですから、毎日変化しているのです。

一度開封してしまった味噌は、風味が一気に無くなっていきます。
これは保存状態によって改善されます。
なるべく密閉された容器に移し変えれば、変化を遅らせます。
酸化すると色も変わってしまうものですから、とにかく空気との接触を避けるべきです。
袋でもかまいませんが、それでも空気は出来るだけ抜いて袋を閉じ、冷蔵庫で保管しましょう。

味噌の歴史

味噌の歴史

味噌は穀物などを発酵させて作る日本にしかない発酵食品です。
日本人なら知らない人はいませんが、その歴史はあまり知られていません。

遡る事飛鳥時代、古代中国から伝来した大豆から作られた「醤」にあります。
熟成中の「醤」の味がとても良かったことから、味噌が誕生したのです。
その名も醤になっていないものと言う意味で「未醤」となりました。
それが味噌になったものとされています。

味噌は、最初は寺院や貴族階級に珍重される贅沢な食品で薬としても利用されていました。
鎌倉時代には、確立された「一汁一菜」なる武士の食習慣から、味噌汁が誕生しました。
室町時代には、一般庶民での自家醸造も始まりました。
江戸時代には、工業製品として生産が始まりました。
こうして全国各地で、原料事情、気候風土、食習慣や嗜好に応じた特色を持った味噌が造られるようになったのです。

代々続いた質素な食生活において、必要な栄養をバランス良く取ることが出来たのは味噌あってこそなのです。
今では、日本人の食事に味噌は欠かせません。
必須アミノ酸とビタミンがたっぷりのみそ汁は「畑の肉」とも「栄養の宝石箱」とも言われてます。
現代に至るまでそしてこれからも、日本人の健康を支えていくことでしょう。